ソウル・インタビュー

ザッカーバーグと共同体感覚

「大統領、私は人類を月に送るお手伝いをしているのです」

FBの創業者、ザッカーバーグ氏によるハーバード大での卒業式スピーチ。
このスピーチのコアメッセージ、個人的には、上の一文に象徴されていると感じました。

これ、ケネディがNASAを訪れた際のエピソードだそうです。
ほうきを持って掃除をしていたNASAの門番の男性。
ケネディから「何をしているのですか?」と問われ、こう答えたそうです。

「大統領、私は人類を月に送るお手伝いをしているのです」
(あんまり好きなので、もう一度・笑)

このエピソードに続いて、ザッカーバーグはこう強調します。

「目的」というのは、僕ら一人ひとりが、小さな自分以上の
何かの一部だと感じられる感覚のこと。
自分が必要とされて、もっといい未来のために毎日頑張っている
と感じられる感覚のこと。

そして、そうした目的こそが、幸福を生み出すと。

これ、まさにアドラー心理学でいう「共同体感覚」そのもの
なんじゃないか、と感じました。

ザッカーバーグは学生たちに呼びかけます。

いまの時代は、大きな目的を持つのが難しい。
だからこそ、人と人をつなげる大きな「目的感」を
創造してほしい、と。

その思いの背景には、社会全体に広がる分離、分断の
風潮への危機感があるのだと思います。
性別、国籍、人種、宗教などによる分離、分断、そして対立。

それらを超えた連帯を生み出し、幸福を拡大するためにこそ、
「目的感」が必要だと。

実は、アドラーの共同体感覚も、背景には個人主義的分断への
危機感があるように感じられます。

「彼らが自らの目標を達したときに、彼ら以外の誰も利益を受けないし、
彼らの関心はただ彼ら自身にしか及ばないのである。
彼が成功しようと努力するその目標は、虚構の個人的優越にすぎず、
彼らの勝利は彼ら自身にとってだけ何か意味あるものにすぎない」
(アドラー『人生の意味の心理学』)

虚構の個人的優越を超えた、大きな「目的感」
その一部としての自分。その一部としての自分の仕事。
その大きな共同体に、自分が貢献しているという意識。
そこから生まれる、大きな安心感と、幸福感。。。

「大統領、私は人類を月に送るお手伝いをしているのです」

だれもが、こうした視点で自分を語れる日がくること。
それが、ぼくにとっての大きな「目的感」なのかも?

あなたにとっての「人類を月に…」って、何ですか?