ソウル・インタビュー

あなたの「たましいの意図」を尊重し、見守る。

ソウルインタビュー
ソウルバースセラピスト 小林桜さん①

 

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―ソウルバースセラピーは、どんなセラピーですか?

 

ソウルバースは、ソウル(たましい)が、生まれる(バース)という意味です。産婦人科医 として生きてきた私の造語なんです。 私たちはずっと、たましいの望みに沿って生きています。そして、たましいが新しい段階に 進む際には、大きな変化や困難が訪れることがあります。そんなとき、誰でも怖さを感じま すよね。「このまま進んで大丈夫だろうか?」「もうダメなんじゃないか?」と。
でも私には、その人のたましいが新しい場所に行けることが分かっている。だから私のセラピーでは、その方のたましいの意図を信頼し、新しい世界に進んでいくための場を提供して います。

 

-産婦人科医として長年働かれていますが、セラピーはその経験がベースなのですか?

 

もちろん、そうですね。人間はだれでも、生まれてくるときに、それまで羊水に浸っていた肺に空気を取り込みます。つまり、誕生の瞬間って、これまでとはまったく違う新しい方法で生き始めなければならない、そうしないと死んでしまう命の関門なんです。とても危険な 瞬間。だから私は、お産の現場に「なんとか無事に生まれてほしい」との祈りを持って臨ん できました。

 

―祈りを込めたお産。医療の現場で「祈り」の話をするのはなかなか難しいかもしれないで すね。小林さんは元々、そういう考えをお持ちだったんですか?

 

元々かどうか……。学生時代に通った気功教室の影響はありますね。 でも大学病院時代は出産の現場に感情を一切持ち込むことはありませんでした。とにかく 問題なく終わることだけを考えて、ただただ作業のように「こなして」いました。そんな感覚がおかしいとどこかで感じてはいたけど、必死だったから。

―では、何をきっかけに「祈り」「たましい」などを意識するように?

 

医師になって7年目に、以前からの体調不良がひどくなって勤務していた病院を辞めたん です。首や肩の緊張がきつくなって、手がこわばったり、しびれたり。手術などに支障が出 るので、続けられなくて。 そのときに自分のことを振り返って、本当はやりたくないことを続けてきたんだと気付く ことができたんです。ずっと自分を機械のように扱っていた、自分を痛め続けてきた、と。
それは、自分が一般的な医療の枠からはみ出していくいいタイミングでもあったんです。以 前から、医療の枠を超えたことが現場では起こっていると感じていました。それをもっと捉 える必要がある。だったら、自分の枠を拡げるしかないと思うようになりました。アメリカ に行ってヒーリングを学んだことで、命の営みを多層的に感じる力が磨かれていきました。

 

-医療の現場では枠を超えたことが起こっている、とは? 多層的な世界とはどういう意味でしょうか?

 
人はたいてい、目の前に起こっているひとつの局面にだけ意識を向けています。でも実際に は、物事はいくつもの領域が深く影響し合って起きています。多層というのは、そういう意 味です。
 
例えば助産師によって、時間が掛かかったり、危険な状態になりがちだったり。また反対に、とてもスムーズなお産を多く手がける人もいます。その違いは、その方がその場にあるエネルギーをどれだけ意識できているかによります。その場にどんな意識を持った人がいるか によって、大きく影響を受けるんです。
 
新しいたましいが生まれてこようとしているのを知っていて、その意図を信頼している人たちに見守られている。そのような場を意識するようになってから、私の担当するお産はス ムーズにいくようになりました。

 
―なるほど。では小林さん自身にとっての「ソウルバース体験」ってどのようなものです か?
 
そうですね……。正直に言うと、学生時代、医師になることがとても恐ろしかったんです。 医療は命に関わることなので、失敗したらどうすればいいんだろうと。新米のころは必ず失 敗するでしょうから、取り返しがつかないと思うと怖くて。私にとっては、それが医師にな るための大きなハードルでした。
 
そんなとき、先輩が病気で亡くなったんです。私をすごくかわいがってくれていた方なので、 ショックでしばらく鬱状態になりました。とても孤独で、苦しかった……。でも、その状態 を抜ける際に、とても不思議な体験をしたんです。


 
―不思議な体験?
 
ええ。「人生は一回きりじゃない」ということが直観的 に理解できました。

たましいは人生経験を繰り返して 習熟し、過去の失敗などを解消していく。そういうシ ステムがあるということが突然、腑に落ちました。「殺 生をしていない命はない」「迷惑を掛けないで生きている人はいない」といったことも含めて。

たとえば、農家の方が大変な思いをしてお米を作って くれているから、私たちはご飯を食べて、働かせてい ただくことができます。そういう風に、迷惑を掛けな がら全ては繋がっているんです。それが分かると同時 に、医師になる恐怖が消えてものすごく楽になりました。ハードルを越えた瞬間ですね。その後、国家試験にも合格することができました。

―ハードルを越えた。関門を通り過ぎたわけですね。

 
そうですね。振り返ってみて、それが分かります。
大変な経験を超えながら、たましいは成長する。人生では、たましいが経験したいこと、望 んでいるとおりのことが起こっているんです。
 
人は誰も、どこかからやってきて、どこかに向かっている。恐怖や困難を乗り越えて新しい 世界で生き始めることも、すべてたましいの方向性に沿って起きています。
 
 
―確かに、誕生の瞬間と似ていますね
 
同じだと思います。先ほど、お産のときに産科医や助産師の意識によって出産そのものが全 く違ってくると話しました。そういうことは当然、妊婦さん自身の安心感にもはかり知れな い影響を与えます。その場に家族が付き添ってくれたら、もっと安心できますよね。見守ら れていると、場がより強いものになっていくんです。ソウルバースセラピーで提供している のも、そういうものです。
 
状況によっては、ファミリーコンスタレーションで家族間の関係性のもつれを解消したり、ホメオパシーやヒーリングでエネルギーの調整をしたり、必要なことは可能な限りさせて いただきます。けれど、それがメーンではない。大切なのは新しく生まれようとしているた ましいを信頼し、その挑戦の尊さを深く受け止めながら見守ること。そういう存在として、 その場にいるということですね。
 
-そうした場で新たな旅を始めたたましいは、どんな変化を遂げますか?
 
変化は一概には言えません。一人一人異なります。たましいの意図がそれぞれ違うのと同じ です。

でも、これだけは確かです。あなたも、命の危険を超えてこの世に生まれ、大人になったの です。そう考えると、誰もが、ものすごい壁を超えていまここにいる大成功者なんです。だ からこそ、いま目の前に感じている壁は必ず超えられるのです。壁を越えて、新しい世界で、新しい生命を生き始めることで、より深い人生の喜びを感じてほしい。たましいの意図を生きてほしい。そう心から祈って、お一人、お一人に向き合っています。
 
-小林さんの一言、一言から、深い確信を感じます。では、ソウルバースセラピーを通じて 世界に伝えたいメッセージはありますか?
 
体調不良になって病院を辞め、いのちについての学びを深めて行くなかで、ある結論に行き着きました。「いのちの本質は愛である」と。
 
父親と母親が愛し合い、子どもがいのちを受け取ります。細胞レベルで見ると、受精卵の中 で両親由来の生殖細胞が惹かれあって一対になっていく。そこには確実に人間の思考をはるかに超えた力が働いている。それこそ、愛なのです。そのようにして綿々と受け継がれて きたいのちを、私たちも未来へと繋いでいるのです。その計り知れないいのちの営みを貫く普遍艇な秩序こそ、愛なのです。
 
現役の医師として活動しながら、私がセラピーを通じて得たいのちの深み、たましいの尊さ を、いつか現代医療にフィードバックしていきたいと思っています。 (おわり)


【小林 桜】 広島県呉市出身。一般的医学的なアプローチの枠を超えて、 エネルギーヒーリング、ホメオパシー療法、ファミリーコンステ レーションなどの手法を用いるセラピスト。健康・病・死・パート ナーシップ・妊娠・出産・子育て・愛することなど、いのちのあ らゆる局面のつまづいている方の相談に、全身全霊で応えて いる。 医学生時代に外科医が教える気功法に出会い、目に見えな いからだがあるという認識を持つ。卒後2年間かけて内科・外 科・小児科・救急部・離島医療の研修を経て、5年間の大学 病院産婦人科で専門医になる。特に産科領域が専門。しかし それとほぼ同時に体調不良に見舞われ挫折。 それをきっかけに魂の赴くまま、生命現象のあらゆる側面と 癒しについて13年間学んできた。現在は都内で非常勤医師 として産婦人科診療の傍ら、相談業を行っている。子育てサ ークルでお母さんのためのホメオパシー療法も教えている。
趣味:海で泳ぐこと、歌うこと 近年のマイブーム:今まで興味がなかった歴史を学ぶこと