ソウル・インタビュー

「どんな意識でその場にいるのか……」

ソウル・インタビュー

ソウルバースセラピスト 小林桜さん②

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-医療の現場では枠を超えたことが起こっている、とは? 多層的な世界とはどういう意味でしょうか?

 
人はたいてい、目の前に起こっているひとつの局面にだけ意識を向けています。でも実際に は、物事はいくつもの領域が深く影響し合って起きています。多層というのは、そういう意 味です。
 
例えば助産師によって、時間が掛かかったり、危険な状態になりがちだったり。また反対に、とてもスムーズなお産を多く手がける人もいます。その違いは、その方がその場にあるエネルギーをどれだけ意識できているかによります。その場にどんな意識を持った人がいるか によって、大きく影響を受けるんです。
 
新しいたましいが生まれてこようとしているのを知っていて、その意図を信頼している人たちに見守られている。そのような場を意識するようになってから、私の担当するお産はス ムーズにいくようになりました。

 
―なるほど。では小林さん自身にとっての「ソウルバース体験」ってどのようなものです か?
 
そうですね……。正直に言うと、学生時代、医師になることがとても恐ろしかったんです。 医療は命に関わることなので、失敗したらどうすればいいんだろうと。新米のころは必ず失 敗するでしょうから、取り返しがつかないと思うと怖くて。私にとっては、それが医師にな るための大きなハードルでした。
 
そんなとき、先輩が病気で亡くなったんです。私をすごくかわいがってくれていた方なので、 ショックでしばらく鬱状態になりました。とても孤独で、苦しかった……。でも、その状態 を抜ける際に、とても不思議な体験をしたんです。


 
―不思議な体験?
 
ええ。「人生は一回きりじゃない」ということが直観的 に理解できました。

たましいは人生経験を繰り返して 習熟し、過去の失敗などを解消していく。そういうシ ステムがあるということが突然、腑に落ちました。「殺 生をしていない命はない」「迷惑を掛けないで生きている人はいない」といったことも含めて。

たとえば、農家の方が大変な思いをしてお米を作って くれているから、私たちはご飯を食べて、働かせてい ただくことができます。そういう風に、迷惑を掛けな がら全ては繋がっているんです。それが分かると同時 に、医師になる恐怖が消えてものすごく楽になりました。ハードルを越えた瞬間ですね。その後、国家試験にも合格することができました。(つづく)