「結局、この地域全体を自分ごととして考えられるかどうか。そこに掛かっているんですよ」
久しぶりに訪ねた、ビジネスの大先輩。
長い間、地域づくりに奔走され、翻弄され、それでも結果を残してこられた方の言葉は、やはり重みが違った。
これまで何度も、「これは大丈夫」と信じた計画が頓挫。
「内容は違っても、事態が動かなくなる原因は共通している」とのこと。
すべてはヒューマンファクター。
そして、ファクトそのものは「互いのプライド」だったと。
「『自分ごと』ばかり主張しはじめる人が必ず出てくる。
損したくない、という思いだけで誰かを攻撃し始める。
そうなると、それまで構築してきた信頼なんてあっという間に崩れ去ります」
毎回、その繰り返し……。
自分だけの「自分ごと」じゃなく、全体を「自分ごと」と捉える視点があれば、
そんなことにはなりようがないのに。。。
でも、この現象、
単なる人間関係だけじゃなく、個人ビジネスでも同じかも、と思った。
自分だけの「自分ごと」ばかり意識して仕事をしている時には、
そのビジネスは発展しない。
自分のしたいことだけを、発信しているから。
ただの独り善がり。
そこから、他者の視点を含めて
社会全体を「自分ごと」として捉えることができて、
初めてニーズが見え、自分がどんな人の、どんなことに役に立つことができるのか
少しずつ、分かってくる。
そういえばかつて、あるコンサルに
「自分ごとを捨てろ」と何度も言われた。
そのときは正直、その言葉の意味が分からなかった。
表面的な「強み」とか「差別化」とかばかりに意識が奪われていたから。
でも、いまはよく分かる。
2つの「自分ごと」の雲泥の差。
「自分ごと」の先にある「自分ごと」
そこには、膨大な可能性が眠っているんだな。
そこにはっきりと気付かせていただいた、先輩に感謝。
記事を書いていると、なぜか白洲次郎の顔が浮かんできたので。。。