ソウル・インタビュー

ニュートラルという「無敵」の在り方

 

 

「ニュートラルなエネルギー状態が一番大きい」武学の師匠はそう言います。「一番強い」ではなくて「大きい」、と。なぜならそれは、他の異なるエネルギーとぶつかることなく、しかもその相手のエネルギーさえニュートラル化してしまうから。すると、相手と自分の間に境界がなくなる。つまり、敵がいない状態=「無敵」になるからです。

 

そもそも、ニュートラル=neutralとはどういう意味なのでしょう?語源はラテン語のneuter=「どちらの側でもない」という意味。釈迦は、快楽にも、苦行にも走ってはならないとし、「中道」を説きましたが、まさしくニュートラルと同じ意味ですね。

 

水のように、そこに「在る」

 

自分も負けない。相手も負けさせない=「自他不敗」が、武学の根本だと師匠は言います。ニュートラルでいるからこそ、ぶつかり合いが起きないからこそ、それが可能なのだと。

 

事実、その師匠はつねにフラット。よくある「すごいオーラ」とか、「入ってくるだけで場の空気が変わる」といったことはまったくありません。水のように、空気のように、ただ「そこに在る」といった感じ。まさにニュートラルに、その場に溶け込んでいるのです。「上善は水のごとし」という言葉がぴったりです。

 

ニュートラルを意識し始めると、そういう人と、そうでない人が瞬時に分かるようにもなります。どれほど有名な人でも、やたらとテンションが高い、または何かについて批判的であったりする人は、ニュートラルから外れています。偏りは、ぶつかりを生みます。そういう人は自分と同じ極の人を引き寄せ、必然的に対極の「敵」を生み出します。つまり、自ら争いを創りだしてしまう。そして、自分がそうしていることに気付くこともありません。

 

ニュートラルを意識し、その状態を保つ。乱れたとしても、乱れている自分に気付く。「自らを観察し、戻る」。これは日常でいつでもできる鍛錬です。一度その状態を身体に落とし込めば、カリスマを追いかけたり、高額なセミナーなどに通ったりする必要はありません。そして、その在り方だけで、自然に周囲から争いやぶつかり合いが消えていくようになります。それこそが最も大きな在り方、生き方なのかもしれません。