ソウル・インタビュー

どんな瞬間を撮影したいの?

「いま」という瞬間。そこにはすべてがあり、同時にすべてをリセットできるゼロ地点でもある。瞬間の輝きを追いかけるカメラマンのように、「いま」レンズをどこに向けるのか。その選択をし続けること。その連続が、人生を創ることに繋がっていく-。

 

先日、「どんなときに、楽しいと感じていますか?」と聞かれて、ふと考え込んでしまいました。
「楽しさ」について質問をされると、昔から困ってしまう自分がいます。楽しいと感じることや、感情が動くということが少ないのか、それとも忘れているだけなのか……。答えられないのです。

 

でも、時間を忘れて没頭しているときはあります。それは写真を撮影しているとき。楽しいと感じることさえ忘れていますね。無我に近い状態なのかもしれません。先週も結婚式の前撮りで、気がつけば500枚以上撮影していました。

 

なぜ無我になれるのか?それは、撮影には「瞬間」が詰まっているからだと思います。人の表情は本当に一瞬で変わる。同じ花嫁さんの笑顔でも、瞬間、瞬間でまったく違うんです。その瞬間がすべて。シャッターの1回、1回が「ゼロであり、100でもある」世界。そうした留まることのない瞬間を追い掛けている瞬間に、没頭しているのでしょう。

 

留まり続ける瞬間など存在しません。すべては変わり続ける。その流れの中で、「いま」という瞬間に何を選択するのか。それによって「いま」はゼロにも、100にもなり得ます。

 

「自分の意識は、『いま』どこにレンズを向け、どんな一枚を撮影しようとしているのだろう?」。そういう視点を持つなら、「いま」という瞬間の選び方が、そして、その積み重ねの未来が、少し変わっていくかもしれません。